結納の最も正式な形は、皇室の納采の儀であるが、民間では略式の方法で行われる。 民間で行われる結納は小笠原流、伊勢流などの礼法によって体系化されているが、 地域・宗教・家系などそれぞれに伝わる多種多様な手順がある。 一般的に次のような手順で行われる。
判りやすくするため、これから結婚する男性側を「新郎家」、これから結婚する女性側を「新婦家」と表記する。

■新郎家からの結納納め
1.仲人が新郎家へ赴き、結納品を預かる。
2.仲人が結納品を新婦家へ持参し手渡す。
3.新婦家で仲人をもてなす。
4.新婦家が仲人へ結納品の受書を預ける。
5.仲人が受書を新郎家へ持参し手渡す。
6.新郎家で仲人をもてなす。

■新婦家からの結納返し
 (正式には結納納めの後日改めて行われるが、最近では同日に行われることが多い。この場合、新婦側の受書と結納返しは一緒に受け渡しされる。古い考えを重んじる方の中には、結納返しを結納と同日に行うことを「つき返し」といって嫌う方もいる)
1.仲人が新婦家へ赴き、結納品を預かる。
2.仲人が結納品を新郎家へ持参し手渡す。
3.新郎家で仲人をもてなす。
4.新郎家が仲人へ結納品の受書を預ける。
5.仲人が受書を新婦家へ持参し手渡す。
6.新婦家で仲人をもてなす。
結納・結納返しののちに花嫁道具を納める荷納め(荷物納め)が行われるが、最近では省略されたり、結納返しと同日に行われることも多い。

略式には、
・仲人と新郎家がそろって新婦家へ赴き、双方の結納品の授受を行い、新婦家が饗応する。
・新郎家・新婦家・仲人が料亭やホテルなどに一堂に会し、双方の結納品の授受を行い、会食する方法などがある。
・なお、男性が女性の家に婿に入る婿取り婚の場合は新郎家、新婦家の対応が反対となる。